丘を望む家

建築概要
掲載誌
設計主旨
V字に窪んだ谷の中腹に建つ住宅です。道路が敷地より4m低かったため、道に面して駐車場を組み込んだ地階をつくり、その上に、開放的な住空間を木造でつくりました。地階は階高4m(通常の1.5倍)となり大きな土の力が横からかかるため、壁を斜めに傾けて土圧を軽減しました。この斜めに傾いた壁を内部空間に生かし、上にいくほど広がる空間を地下に展開しました。
このしっかりとした地階の上に、LDKや子供室を一つながりに形づくり、外へと心が導かれるように、強い方向性を持つ切妻屋根で架構しました。対面する丘への眺望が素晴らしい北西に向けて居間の向きを45度ふり、壁に食い込むようにソファ・スペースをしつらえました。開放的な一体空間の中に、視線の方向の変化により、すべてを見通せない感覚が生まれることや、小さなスペースを組み込むことで、心を解き放ちつつ、落ち着きのある住空間となることをめざしています。
close